72:名無しNIPPER[saga]
2019/10/07(月) 20:23:37.16 ID:pYPvRrqT0
静香はぷいと顔を逸らし、その横顔にジュリアはいたずらっぽい笑顔を投げかける。
そのまましばらく肩を揺らして笑い続け、それからふっと、穏やかに言った。
ジュリア「それで? 調子はどうだい? チハには勝てそうか?」
静香「……わかりません。あれから、何度も千早さんのライブ映像を観ました。
今まで以上に、何度も。けどそのどれもが、今までとは全く違うように見えて……。
私はこの人とステージで本気でぶつかり合うんだ、って思ったら……。やっぱり少し、怖くなります」
ジュリア「でも、退くつもりはない。そうだよな?」
静香「はい。千早さんは今でも、私の目標で、憧れで、尊敬すべき先輩です。
でも、だからこそ、私は……あの人に勝ちたい。
勝って……ただあの人の後を追うだけじゃなくて、
あの人のライバルとして、隣に並んで走り続けたい。そう思ってます」
いつからか、静香は逸らしていた顔を真っ直ぐにジュリアに向けていた。
そしてその瞳を正面から受け、ジュリアはほんの一瞬体が震えるのを感じた。
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