少年「アヤカシノート」
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389: ◆7jwTcAQqF.Dj[saga]
2020/02/18(火) 23:04:12.04 ID:Yxrt9fKO0

猫又娘「あの男が産まれたのって大分昔なんよね?…あいつの親が殺された時、まだ赤ん坊だったみたいだけど、何百年も後のこの時代で恨みを晴らす理由があったんかな?」

幼女「……」

幼女「……彼の者は元より封じられていた」

少年「あの村長さんたち、あいつだけ殺すんじゃなくて封印したんだ…?」

幼女「封じたのは我だ」

猫又娘「!」

幼女「彼の者をあのまま生かしたとて、人間の手が迫る事は明白」

幼女「ならば、何人も触れられぬ様封ずる事が彼等の安寧となる」

幼女「其の浅慮に囚われた我は、同様にして妖禍子共を封じていった」

幼女「…この社の中へ」

猫又娘「じゃああのお札は」

幼女「我が施したものだ」

幼女「彼等を護る揺籠と思い、長い時の中見続けていた」

幼女「……だが、其れでは何も終わらぬ。彼の者の憎悪は徐々に、然し確実に渦を巻き…」

幼女「いつしか世を歪ませる螺旋となりて、外界へ放出した」

猫又娘「……」

猫又娘「あなたも…よく無事だったね」

幼女「彼の者の記憶に、我は無かったようだ」

幼女「其の事実が吉と出たか凶と出たかは…最早確かめる術はないが」

少年「………結局………」

少年「事の発端は何もかも……人にあったんだな」

少年「妖禍子だ化け物だって騒いでおいて……本当の"アヤカシ"は僕らのこの――」

少年「胸の中にあるんだろうな…」

派手娘「……」

幼女「………」

幼女「妖禍子とは、そなた達が付けた呼称。我等は単調な運動しか出来ぬ者、高度な思索を行う者であろうが、そこに在る事が全て」

幼女「元々善悪なる概念は存在せぬ」

幼女「…この言葉に、納得出来ようか?」

少年「え…納得出来るか、って?」

少年「あぁ…まあ襲ってきた奴らだってあいつに操られてただけで悪意があるようには見えなかった」

少年「むしろ助けてくれる妖禍子さんがいるくらいだし…」

夢見娘「………」

猫又娘「えへへ…」

幼女「…であれば、よいのであろう」

幼女「創造主よ、そなたが其れを忘れずにいれば、人の世の心地は変わって行ける」

幼女「…そう信ずるに値する」

少年「………」



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