369: ◆7jwTcAQqF.Dj[saga]
2020/02/18(火) 22:40:26.05 ID:Yxrt9fKO0
ーーーーーーー
黒服男「その物体がなんだか、お前には分かるか?」
少年「……少女さん、僕の後ろに」
包帯少女「ありがとう。でも二人で、ね」
黒服男「…ほう。興味深いな」
黒服男「殺し殺された者の築く関係として、実に奇異ではあるまいか?」
少年「……」グッ...
黒服男「これはな、人間」
黒服男「人の憎悪の凝集体だ」
少年「憎悪…?」
黒服男「そうだ。如何なる人間の中にも存在する、人の本質。お前の中にも眠っていたろう。その女を憎く思う感情が」
少年「ふ、ふざけんな!あれはお前がそう仕向けたんじゃないか!」
黒服男「俺は助長をしたまでだ。もし本当に彼女を信頼していれば、あの悲劇は起こらなかっただろう」
少年「信頼って……僕は……」
少年(…僕が少女さんを信じていなかったから…?元を辿れば、結局僕の卑屈さが原因だってことかよ……)
包帯少女「それは違う」
包帯少女「他人を端から信じられる人なんていないんだよ」
包帯少女「みんな誰だって少しずつ相手を知っていって、時間をかけて信用出来る関係になっていく」
包帯少女「あなたがしたのは、その過程を踏みにじって無理矢理憎しみを向けただけ。そんなの、人の本質でも何でもないってあなたも理解していたんでしょう?」
黒服男「…知ったような口を利いてくれるな」
包帯少女「分かるよ。だってあなたのお母さんとお父さんがそうだったはず」
黒服男「っ!」
包帯少女「…ぼくたちは、あなたの過去を見たから」
黒服男「……そうか」
黒服男「ならば、今すぐ自害しろ」
包帯少女「……」
黒服男「俺の心情が分かるのだろう?俺が望むは唯一つ。世界の癌たる人間の根絶」
黒服男「残るはお前達を含めた三人だけ」
黒服男「いや、より正しくは二人と言うべきか」
包帯少女「………」
409Res/508.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20