338: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/02/03(月) 03:31:25.81 ID:L/MaCyf+0
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ケモノ「少し遅くなったな」ザッザッ
ケモノ「だが仕方あるまい」ザッザッ
ソッ(一輪の紅い花)
ケモノ「貴女に似合う花を見かけてしまったから、と言えば許してもらえるだろうか?」
ケモノ「……フッ」
...タッタッタッ
女「あなたっ…!」タッタッ
ケモノ「!」
女「はぁ……は……」
ケモノ「どうしたんだ」
ケモノ「…すまない、そこまで遅くなっている自覚はなかった」
女「いえ…違うのです…!」
女「どうしましょう……この子が殺されてしまう…!」
ケモノ「……何があった?」
女「お父様が突然、訪ねてこられたのです……あなたの事、知っているかのような口振りで…!この子も見つかってしまいました…」
ケモノ「貴女の父を、説得する事は出来ないか?」
女「無理です…!お父様は私の村の長なのです…」
女「先程だってこの子を生かしてはおけないと……人ならざる者との子はそれだけで深い禍根を残すからと…!」
女「どうして……この子に罪は無いのに……」ツー...
女「私は、あなた達を愛しているだけなのに……」ポロポロ
赤子「…かぁ」
ケモノ「……」
ギュ...
女「うぅ…」ポロポロ
ケモノ「案ずるな。貴女は何一つ間違った事をしていない」
ケモノ「貴方が俺を愛してくれたのと同じように、俺は貴女を愛する事が出来て良かったと思っている」
ケモノ「この子が居ることが、その証だろう?」
女「あなた……」ポロポロ...
ケモノ「周囲がなんと言おうと、三人で過ごしてゆけばいい」
赤子「……とぉ」
ケモノ「!…あぁ、俺もお前の事を愛しているさ」
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