10: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/10/04(金) 18:30:23.24 ID:qYsOfvLU0
少年「はぁ……はぁ……疲れた…」
少女「少年君、最初の一球以外ほとんど捕れなかったね」フフッ
少年「だから……慣れてないんだって…!」
少年「…きみはいつもこんなことを?」
少女「きみ…?…あ、もしかして少年君、ぼくの名前知らない?」
少年「う……だって喋ったこともなかったし…」
少女「少女だよ。同じクラスの帰宅部の」
少年(同じクラスなのは知ってたけど、帰宅部…)
少年「…部活、引退したとかじゃなくて?」
少女「いや?元から何も入ってないの。…参考までに訊くけど、ぼくって何部の印象?」
少年「えっと……」チラリ
(手に握られたバット)
少年「……野球部?」
少女「……んふ、ははっ」
少女「ねー、今このバットとボールだけ見て言ったでしょ」
少年「そりゃそうだよ。っていうかもうその印象しかないんだけど」
少女「別にぼく、野球が好きってわけじゃないんだ。ただ、こうやって何も考えないで打ったり捕ったりするのが落ち着くんだよね」
少年「……」
少女「ほら、うちの学校って校庭が二つあるじゃない?放課後、部活でこっちの校庭使われること滅多にないからさ、よくこうやって身体動かしてたんだ」
少年「ふーん、通りで。僕も帰宅部だけど、帰りに少女さんのこと見かけた記憶がないわけだ」
少女「そもそも二年生まではクラス違ったけどね。……ま、最近はもう友達もみんなぼくに付き合ってくれなくなっちゃって。そろそろこの趣味も限界かなって思ってたの」
少年「……それで僕を?」
少女「それもある」ニッ
少年「……」
少年(……)
少年「…あの、さ」
少女「ん?」
少年「見たんだよね……その……ノート」
少年「何も…思わなかったの…?」
少女「思ったよ」
少年「……」
409Res/508.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20