【のんのんびより】れんげ「転校生が来たのん!」
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38:学園長  ◆86inwKqtElvs[saga]
2019/10/04(金) 01:28:14.94 ID:QcZxi7T/0
蛍「ちょっと前に、私が引っ越す前に戻るだけです」

蛍「大丈夫」

蛍「今日、この日が沈んで星が見えたら」

蛍「私はいなくなります」

蛍「みんなの記憶から、私だけが消えて」

蛍「みんな、元通り」

蛍「…………」

蛍「悪い子で、ごめんなさい」

小鞠「ねえ、いかないで」

小鞠「そんな、さびしいこと、いわないで」

小鞠「いっちゃ、だめだよ」


 私は、泣いてた

 何で記憶から消えることができるのとか、そんなことはどうでもよくて

 思い出が消えるなんて、寂しい

 まだまだ仲良くなれるのに

 みんなでもっともっと、遊びたいのに


 ――――


 気が付けば、夕方になっていた


蛍「あ」

蛍「明るい星が、見えてきましたね」

小鞠「ほたる……」

小鞠「どこにも、いかないで……」


 私はずっと泣き続けてて、それしかできなくて

 ああ、ほんと、夏海にばかにされるのも当たり前だ

 ×××が泣いてるのに、消えちゃいたいなんて願ってるのに

 …………

 目の前にいる子は、誰だっけ?

「小鞠先輩」

 自分よりも大人っぽくて、でもやっぱり子供な彼女は、自分の心をどうしていいかわからなくて、

「さよなら」

 そう言うしか、出来なくて――

 私は、そんな彼女の名前も

 思い出せなくなっていたのに

 彼女が、消えていく

 そういう諦めの願いを叶えてしまう何かがあるなら、私は、うちは、消してしまいたいのん――

「……待つん、×××――――」



「そうなん、ちょっと待つのーん!」



 不意に、元気な声が、私の意識と目の前の存在を呼び止めた。



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