【バンドリ×けいおん】唯「バンドリ?」香澄「けいおん?」
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73: ◆64sUtuLf3A[sage saga]
2019/10/02(水) 21:34:03.64 ID:2rXBvp8co
菫「ですがお嬢様……浮かれるのもよろしいですが、今日は多くの資産家の方々もお見えになられます、その点、くれぐれもお忘れなきようお願い致します」

紬「はーい、分かってるわ」

 どこか寂しげな返事をする紬に対し、菫は運転を止める事もせず、頭の中に詰め込んだ数百に及ぶ来賓のリストを読み上げていく。


菫「本日ご出席される来賓には、ドイツ外交官のダミアン氏にイギリスの不動産王アーサー氏……ロシア政財界のトップ、アレクサンドル氏もいらっしゃいます」

菫「……それと、中国財団の王氏は先日ご子息がご誕生なされたので、ご祝言をお忘れなくお願いします」

紬「ええ、分かったわ」

菫「いずれも琴吹グループとは古い付き合いであり、仕事の上でもビジネスパートナーとして重要な方々ですから……申し訳ありませんが、今回は仕事の一環として参加しているという事も覚えておいて下さい」

紬「ええ……仕方ないけど……一応理解はしてるつもりよ。ありがとうね、菫ちゃん」

 社交界の集まり、そこには当然多くの資産家が来賓として招待される。

 今や紬の存在は社交界や政財界でも注目されており、そこには当然、紬に一目会おうとする者や、今後の事を踏まえ、琴吹家との友好関係を築こうとする者もいる。

 紬としても、旧友との一時を過ごそうという場で仕事や家の事を考えるのは不本意ではあった。が、それが琴吹家の家紋を背負って立つ、『琴吹紬』の立場なのだという事を理解していた。


紬「分かってはいるけど、あーあ、なんかやる気出ないなぁ」

 紬がむくれる仕草をする、その評定にやれやれと観念し、菫はそっと一言、紬に囁いた。


菫「……私も頑張るから、少しだけ頑張ろう……ね? お姉ちゃん」

紬「……うんっ」

 静かな車内に紬の笑顔が戻り、車は進む。

 そして数分後、菫の運転する黒塗りの高級車は、弦巻家の屋敷へと到着していた――。



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