希「のぞみドライブ
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1:名無しNIPPER
2019/09/28(土) 10:56:02.64 ID:DfpTMqeAO
凛「わ〜海が綺麗だ〜」

後部座席に座っている凛ちゃんがはしゃぎながらシートベルトが伸びる限界まで身を乗り出して来た。

海未「凛。車の中ではしゃがない。危ないでしょう」

凛「だって〜」

凛ちゃんに注意をする海未ちゃんのその口調はまるで昔と変わらず懐かしいなぁと感じる。

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2:名無しNIPPER
2019/09/28(土) 10:58:05.68 ID:DfpTMqeAO
昔と言ってもそんなに前ではないのだけれど高校を卒業してお互い多忙で仲間で集まる機会も減って来ていたからそう感じるんだろう。

今日も何となく皆んなに声を掛けたけれど集まれたのはこの3人だけだった。

なんていい方をするとこの三人が暇人と捉えられてしまいそうなので補足しておくと海未ちゃんも凛ちゃんも大学生になってから多忙を極めている。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER
2019/09/28(土) 10:59:13.60 ID:DfpTMqeAO
希「何だって?」

これっと言って見せて来たスマホの画面には

「お土産楽しみにしてます」
以下略 AAS



4:名無しNIPPER
2019/09/28(土) 11:41:54.24 ID:DfpTMqeAO
希「何かな?そんなに見つめられると照れちゃうよ」

海未「いえ。随分と運転に慣れているなと思って」

希「免許取ってだいぶ経ったからね」
以下略 AAS



5:名無しNIPPER
2019/09/28(土) 11:42:41.26 ID:DfpTMqeAO
FMラジオから季節外れのサザンオールスターズの曲が流れていた。

凛「懐かしい歌だよね」

希「生まれる前の歌やけど」
以下略 AAS



6:名無しNIPPER
2019/09/28(土) 11:44:03.73 ID:DfpTMqeAO
英語は苦手だからとまた凛ちゃんは私達の笑いを誘った。

希「でも、凛ちゃんの歌って久しぶりに聞いたな」

凛「ん〜そう?私は二人の歌声の方がしばらく聞いてないよ」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER
2019/09/28(土) 11:45:50.74 ID:DfpTMqeAO
海未「途中から。やっぱり私にとって希はその喋り方がしっくりきます。凛もですけど」

凛「流石に大学生になってまでにゃあにゃあ言ってられない・・・にゃ!」

私も似たような理由だ。けど、私と凛ちゃんとは違う。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER
2019/10/02(水) 22:25:36.80 ID:IhmbmFHuO
海未「そうでしたっけ?」

昔話に花が咲く。車が進むに連れてまるで昔に戻る様な感覚だった。

海未「陽が落ちて来ましたね」
以下略 AAS



9:名無しNIPPER
2019/10/02(水) 22:26:59.44 ID:IhmbmFHuO
凛「ねえ。こんな所で話してないで早く下に降りようよ」

凛ちゃんに促され私達は海岸まで降りた。

海未「冬の海も風情がありますね」
以下略 AAS



10:名無しNIPPER
2019/10/02(水) 22:28:20.80 ID:IhmbmFHuO
そんな私達とは打って変わって凛ちゃんは砂浜を走り回っている。

海未「喋り方は変わっても凛のああいう所は本当に変わりませんね」

希「うん。きっとずっとあんな感じなんじゃない?」
以下略 AAS



11:名無しNIPPER
2019/10/02(水) 22:31:37.63 ID:IhmbmFHuO
海未「目の前に広がる海ですよ。確かに自分の名前がそうだからと言うのもあるかもしれませんが」

真っ直ぐ海を見つめて海未ちゃんは続ける。

海未「知っていますか?私達が生まれる前、この大きな水の塊に名前がつくずっと前から地球上にあって人類はそこから生まれたんです」
以下略 AAS



12:名無しNIPPER
2019/10/02(水) 22:33:48.73 ID:IhmbmFHuO
それからしばらく沈黙が続いた。気がつくととっくに日は沈んでいて海はすっかり色を失っていた。

海未「覚えてますか?」

沈黙を破る様に海未ちゃんが口を開いた。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER
2019/10/02(水) 22:36:18.04 ID:IhmbmFHuO
海未「ふふっ、今も変わりません。例え同じ場所に居なくても心は繋がってますから。だから・・・」

希「そうやね」

凛「あっ!流星!」
以下略 AAS



14:名無しNIPPER
2019/10/02(水) 22:37:24.70 ID:IhmbmFHuO
告白します。私が今日皆んなに声を掛けたのは何となくなんかじゃありませんでした。

私は今不安で挫けそうで泣いて逃げてしまいそうでした。

今まで何となく何でも器用にこなしてきました。持ち前の容量の良さでそれなりの会社に入社して初めて仕事を任されて。けど今壁にぶち当たっています。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER
2019/10/02(水) 22:38:09.39 ID:IhmbmFHuO
けど、このまま我慢し続けていると壊れてしまいそうだから。ただ、皆んなの顔を見たかった。それだけで私は明日からも頑張れると思ったから。

帰りの車、ミラーに目をやると凛ちゃんはぐっすりと眠っていた。

希「ふふっ。疲れちゃったかな。あれだったら海未ちゃんも寝てて良いよ」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER
2019/10/02(水) 22:40:59.73 ID:IhmbmFHuO
希「あ〜大丈夫だよ。慣れてるから」

海未「本当ですか?」

希「本当だよ」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER
2019/10/02(水) 22:41:28.01 ID:IhmbmFHuO



18:名無しNIPPER[sage]
2019/10/03(木) 03:20:33.22 ID:zwMDLuCN0
こういうの好き


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