9: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/09/16(月) 22:56:39.10 ID:ajLiiV4A0
そう思っていると、プロデューサーさんはにっこりと笑って「はい」と言って、そのブレスレットをあたしに差し出した。
「え」
「誕生日おめでとう」
「えっ、えっ?」
「だから、誕生日おめでとう。さっき奈緒も値段を見た通り大したものじゃあないけれど」
「これ、あたしに?」
「それ以外に俺がアクセサリーを渡す相手がいると思う?」
「……いない、と思うけど」
「ちょっと傷ついた」
「あ。ごめん」
「……ともあれ。それはもう奈緒のだから、煮るなり焼くなり好きにしていいからね」
「煮も焼きもしねーって」
「じゃあどうするの?」
「……つける」
もらったブレスレットを手首に通し、太陽にかざす。
陽射しを受けて、いっそうきらきらを強めたそれは、これ以上ないくらい素敵に見えた。
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