【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」照月「その35!」【安価】
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658: ◆0I2Ir6M9cc[saga]
2019/11/29(金) 22:13:39.94 ID:HEE8sNIQ0
話は数年前……彼が浜辺で目覚め、彼女らに保護されたところまで遡る。

既に述べたが、"その存在"は42周目提督により2つに分裂させられてしまっている。

彼が目覚めたということは……もう片方の存在も、意識を取り戻すことは予想出来たことだろう。

しかし、もう1人の"彼"……否、"彼女"は……運命の歯車の狂いによるしわ寄せを、とてつもなく受けてしまったのだ。

「……ん」

(ここは……どこ?それに、私は……一体……)

彼女は、彼との分裂の果てに具現化された存在。故に、彼とは"同一の存在"と言える。

しかし彼女は、彼とは対照的に……少女の姿をしていた。理由はもちろん、42周目提督への精神干渉による影響だ。

彼は42周目提督自身の姿を参考としていたが、彼女は42周目提督の記憶にある……潮と羽黒の姿を、無意識の内に再現した。

よって、彼女は潮と羽黒を足して2で割ったような外見をしていた。それが後々、彼女に不幸をもたらすこととなる。

だが、彼女には既に危機が迫っていた。目が覚めた場所は森。猛獣等が数多く生息している地だ。そんなところに丸腰でいれば……その後の末路は想像に難くない。

「グルル……」

「……え?」

(な、何……この、大きい生き物は……?)

「……グワアアアアアアアアアアッ!」

「こ、こっちに来た!?いやっ、来ないで!?ひゃああああああああああああっ!?」

猛獣にとって、人間は良い餌だ。そして武器を持たない人間が、突然襲い掛かってきた猛獣に勝つことなど出来るだろうか?

答えは否。彼女は無残に猛獣に襲われ……その身を噛み千切られ、貪り食われることとなる。

「グルルルルッ!グワアアアアッ!」

「嫌ああああっ!?痛い!?やめっ、やめてええええええええええっ!?」

だが、彼女は人間ではない。どれだけ痛めつけられたとしても、その傷は瞬く間に回復する。

更に、血しぶき等が飛び散ることさえ無い。傍から見れば、猛獣が人型の玩具にじゃれ付いていると言えなくもないだろう。

しかし、今の彼女の認識は人間のそれと変わらない。故に、彼女にとっては噛み殺される痛みが延々と続くこととなる。

それでも、やはり元が神である為、通常の人間とは違い精神崩壊を引き起こすことはない。

だが、その肉体及び精神に与えられる苦痛は決して無視出来るものではなく……

「ガアアアアアアアアッ!グルルルルルルルルッ!」

「嫌……嫌ぁ……っ!」

(顔を食べないで……腕を引き千切らないで……!お腹を抉らないでぇ……っ!)


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