少女「お兄、すき」男「そうか」
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56: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/09/16(月) 06:32:26.17 ID:Aam2sbDE0

少女「…!」パチッ

少女「お兄、できた!」

男「そうか。初めてにしてはなかなか上出来だったな」

少女「ふふん」エッヘン

男「…見ていて面白いという意味でな」

少女「?……っ!」ムッ

少女「…なーに?」

男「あんなに力を込めなくていいんだ。戦場にでも出掛けるのかと思ったぞ」

男「ついで訊くが、何を祈った」

少女「……や」

男「今のが気に障ったか?……悪かった、謝る。だから教えてくれないか」

男(そこに、少女の奥に眠った記憶の手掛かりが含まれている可能性もある)

少女「…………お兄」

男「ん?」

少女「………」

男「なんだ?まだ怒っているのか…?」

少女「…そと」

男「外?教会はもういいのか」

少女「はい」

男(時々、俺と話しているとこうして大人しくなることがある。気のせいか呆れたような目で俺を見てくるが……)

男(そんなに怒ることだろうか)

男「…行くとしよう」

神父「おや、あなたは祈祷しないのですかな?」

男「……」

男「あぁ。神は俺の家族を見捨てたからな」

神父「それは……」

神父「…神は皆に平等なのです。生かすべきは生かし、奪うべきは奪う」

神父「見捨てたのではありません、来たるべき時に、神がお連れになったのです」

男「悪いな、それでも俺は神に縋ることはない」

男「少女」

ギュ(手を握る)

少女「…!」

テクテク...



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