38: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/09/11(水) 21:31:37.18 ID:ULa3Qe3C0
ーーー薬屋ーーー
女盗賊「よっ」
薬屋「……急に空気が不味くなったな」
女盗賊「ねぇ薬屋ちゃんさ、いい加減ウチも人間と認めてくれない?ウチとしては、もっと親しくなっておきたいんだよねぇ……今後のために」
薬屋「清々しい程打算的だね」
女盗賊「無駄に取り繕う意味なんかないし」ヘヘッ
薬屋「私はお前と仲良しごっこするメリットなぞ欠片も無いんだけどね」
薬屋「さっさと伝言を言いな。それでとっとと帰ってくれ」
女盗賊「今日は伝言を伝えに来たんじゃないのよ」
薬屋「……バカにつける薬はないよ」
女盗賊「本当にウチが嫌いなんね……そうじゃなくてさ」
女盗賊「少女が攫われたんだ」
薬屋「」ピクッ
薬屋「……それを私に伝えるために来たのか?」
女盗賊「んー、というより、あの人が抱えてる影が気になってね」
薬屋「影だと?」
女盗賊「そ」
女盗賊「あの人さ、輩に少女が攫われたと知るや単身呼び出し先に乗り込んでいっちゃったんだ」
女盗賊「ウチも行くって言ったんだけどね、来るな、て…すごい形相で睨まれちまって」
女盗賊「あんな怖い顔初めて見たわ」
薬屋「………」
女盗賊「それに、寝言で言っていた名前……」
女盗賊「女と娘」
女盗賊「彼ら──いや彼女らに謝っていたよ」
薬屋「寝言?」ギロッ
女盗賊「そこ、反応しない。酒場の連中全員輩に一服盛られて眠らされてたんだ。寝床を共にしたんじゃないからね」
女盗賊「……あの人にさ、昔何があったのよ?彼の少女への固執様も、そこに起因するんでしょ?」
薬屋「………」
女盗賊「頼む、教えてくれないかい?……それさえ分かれば、あの人を薬屋ちゃんに向き合わせる手伝いだって出来るかもしれない」
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