反物質男「またお前に会えて嬉しいよ」対消滅女「……なにカッコつけてるのさ」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/09/07(土) 01:13:31.82 ID:qoKz8IIqO
「すっげー!」

マジか。マジだった。マジですり抜けた。
量子力学パナイ。アインシュタイン涙目。
何が神はサイコロを振らないだ。馬鹿め。
世界には計算外のことだって起こるのだ。

誰もなし得なかった偉業を俺は今成し遂げた。

「でも、なんで誰も居ないんだ?」

壁の向こうは、なんだか荒れ果てていた。
まるで大きな爆発によって破壊されたように。
建築物はおろか、草木一本生えていない。

「おっかしいなぁ……ガス爆発か?」

首を捻りながら気づく。自分が全裸なことに。

「うおっ! 恥ずかしい!?」

流石に服までは壁を通過出来なかったらしく、産まれたままの姿で立ち竦み、とりあえずもう一度壁の向こうに戻って散乱しているであろう自分の服を取りに戻ろうとして、愕然とした。

「壁、どこいった……?」

振り向くとそこに壁はなく。
破壊され尽くした世界が広がっている。
先述した爆心地のような有様というのはあながち的外れな表現ではなかったようで、ここを中心に地平線の彼方まで荒地が広がっていた。

「もしかしてここ、異世界じゃね?」

人間はあまりに信じられない事態に陥ると脳が理解を拒んで現実逃避することがあり、まさにそれと同じようにファンタジー的な何かが自分の身に起こったのだと解釈して、ここを異世界だと思い込むことにした。


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