高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「9月5日のその後に」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/09/05(木) 18:45:17.25 ID:w/xsIxLY0
かけたい言葉が次々と浮かんで、罪悪感を上塗りしていきます。

「加蓮ちゃん」
「何?」
「愛される自分に、慣れましょうっ」
「……慣れる?」

店員さんが近くを通りかかって、加蓮ちゃんが慌ててカップを手に取ります。
そして手つかずだった抹茶ラテを一気に飲み干します。急いで飲まなくてもいいのに……。
私と店員さん、目を合わせて苦笑い。
それから加蓮ちゃんの口の周りが泡だらけだったので、拭いてあげて。加蓮ちゃんの分と、それから私の分の空のカップを店員さんに渡します。
店員さんはちょっぴり演技の入った一礼をして、それから加蓮ちゃんの方へと身体ごと振り向いて、ポケットから無地の小箱を取り出しました。

「え……?」
「ふふっ。加蓮ちゃん。今日最後の誕生日プレゼントですね♪」
「わ……」
「あっ。加蓮ちゃんのお母さんやお父さんの分があるから、今日最後の、ではないのかな?」
「……あ、ううん、両親からは朝もらったけど――」
「じゃあ、店員さんが一番最後の番ですねっ」

最後にプレゼントを渡す番、って、なんだか特別な感じがしませんか? だからつい、店員さんにおめでとうございますって言っちゃいました。
そうしたら店員さんは、祝われるのはそちらの……と、ちょっぴり微妙な顔をしちゃいました。
あはは……。確かに。
誤魔化すのも込めて、おめでとう、と加蓮ちゃんに。
あっ。これで、今日最後にお祝いの言葉を言ったのって、私ってことになるのかな?
……なんだか、事務所の皆さんに抜け駆けしちゃった気分です。……えへっ♪


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