【安価】安価ファンタジー冒険者で地の文多めのマジメなやつ
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130: ◆a0UdM47R7d2e[saga]
2019/09/08(日) 22:32:16.71 ID:c4RcVj2E0
「ギィッ!?」


脇腹を強かに蹴り上げられたゴブリンが半ば飛ぶように地を転がる。
草をなぎ倒し土を巻き上げ、酷く無様に長く長く。

だがそれは致命傷には至らない。
殺傷力を抑え、ただ飛ぶように蹴ったのだろう。
転がり続けたゴブリンはしかし、勢いが減じると共に身軽に起き上がった。

跳ねるように持ち上げられた黄土色の視線には怯えも竦みも無い。
圧倒的なヴォルフとの力の差は理解しているだろうに、逃走は選択肢にさえないらしい。
呪いじみた憎悪と殺戮への飢餓が本能に刻まれているかのようだ。

寸毫の内に殺されると理解しながらもなお、ただ殺すと狂奔する。
それがゴブリンという生物だ。


そしてその本能はヴォルフを探し……その線上にあるミアの姿を捉えた。

ギィィ、と怖気の走る笑みを零してゴブリンは鋭い爪を構えた。
ヴォルフを殺せるならば最善。
しかし獲物は別に手頃な距離にいるミアでも良い。

そう判断されたのだというのは、至近で向けられた殺意からミアにも理解できる事だった。



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