【安価】安価ファンタジー冒険者で地の文多めのマジメなやつ
1- 20
116: ◆a0UdM47R7d2e[saga]
2019/09/08(日) 00:04:16.58 ID:JTH6wsVb0
音の波が去って数瞬。
反動のように静寂が広がる中に返答が返る。

金属同士を擦り合わせるような不快な音色。
それが十ほども重なって村から響く。
経験の無いミアにも含まれた憤怒が読み取れるそれはゴブリン達の鬨の声だった。

村落内のゴブリン達は全個体がヴォルフの声を聴いただろう。
最早彼らに情報の共有は必要ない。

殺すべき敵を知ったゴブリンは本能に駆り立てられるままに村を飛び出した。
その目が睨みつけるのは当然、咆哮の主であるヴォルフだ。
ミアになど目をくれている個体は存在しない。

不遜な大男を地に引きずり倒しその肉の全てを削ぎ落す事。
それこそが我らの悦びだと、憎悪に淀んだ醜悪な顔が明確に物語っている。


「はっ、綺麗に釣れたもんだ。
 おい、さっきも言った通りだ。
 こっちが終わるまで動くんじゃねぇぞ!」


対するヴォルフも獰猛に吼え、ギチリと音がするほどに武器を握りしめ吶喊する。

咆哮と、それに続くゴブリンの憤怒。
当てられて竦み震えるミアを一人置いて、戦闘は開始された。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
154Res/76.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice