7:名無しNIPPER[saga]
2019/08/28(水) 21:01:51.12 ID:saJLaFIp0
よく乾燥したとばはとても固く、奥歯を使いアイドルらしからぬ動作で齧り取り、瞬時にみくは後悔した。
これはよく噛まなきゃ食べられないやつだ。チャレンジするならもっと飲み込みやすい魚にすべきだった。
だが乗りかかった船だ。ここで吐き出すのはプライドが許さない。
みくは鮭とばをひと噛みする。
口いっぱいに魚の香りがひろがり、反射的に手で口を抑える。
「うっ…」
体中がこれは嫌いだと言っている。だが我慢して食べられないことはない。
口に手を当てたまま端っこから少しずつ噛み、ちびちびと飲み込んでいく。
舌で触るたびに魚の風味がして体が拒否反応を起こすが、丸呑みするのは食べ物に失礼だと自分を言い聞かせ、
たっぷり時間をかけてどうにか半分を食べ終わった。コップに水を注いであおる。
「これをあと半分食べるのかにゃ…」
まさか食べかけを袋に戻すわけにもいかない。
ちょっとずつ食べても解決しない。一気に行ってしまおう。
たっぷりのインターバルの後、みくは気合を入れると、残りの半分を一気に口に入れた。
翌日。みくは原因不明の38度の熱を出し、学校とレッスンを休んだ。
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