140: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/09/01(日) 15:27:02.28 ID:N7AwUAt80
老人「……若造、交換条件といこうか」
男「……」
老人「その子を引き渡すのなら、お前さんの無事は保証しよう」
男「…眼鏡娘に加担したやつは殺されるってか?いかれた宗教団体みたいだな」
老人「よく考えてみなさい。わし一人がその子を異常に感じ、消そうとしておるならおかしいのはわしの方じゃ」
老人「だがどうじゃ?これほど多くの人間が同じように思っておる。お嬢ちゃんのことはもうこの町一帯に広まっとるじゃろうな」
老人「…もしかすると、今や国中、世界中やもしれぬ」
老人「であるなら、もはやそれが普通じゃろう。おかしいのは──」
老人「──その子の方じゃよ」
男「………」
男「……そうかもな」
眼鏡娘「………」
眼鏡娘(男、くん……)
老人「ようやく理解したかの?……その子をこちらに連れて来なさい」
男「………あぁ」
男「お断りだね」
眼鏡娘「─!」
男「国が、世界がこいつをはぶろうとしてるって?どんだけ大掛かりないじめだよ」
男「全員正しいと思ってるからそうするのが普通……ま、その意見にゃ納得できる。民主主義ってやつだよな?この前習ったぜ」
男「けど悪いな。俺はこいつに生きてて欲しいからさ、お前らの言う普通には賛同できないんだわ」
男「俺には俺のしたいことがある!お前らみたいに何も考えもしないで周囲と同調するだけの人間になれなんざ、願い下げだね!」
眼鏡娘(……──!!)
ーーーーー
男「──何も分からんままただ周りに流されてお前を嫌いになるなんて、ごめんだ」
ーーーーー
眼鏡娘(………そうだったんだ)
眼鏡娘(やっと……はっきり分かった)
ーーーーー
男?「──いつもそうだよね。自分から動こうとしない」
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眼鏡娘(私は重力が嫌い)
眼鏡娘(……だったわけじゃなくて、ほんとはずっと──)
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