92: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/12(土) 09:45:43.67 ID:L3t7G6Qz0
後藤田提督は五人が視界から消えても、水平線の向こうをしばらく見やっていた。強く吹き付け、髪を――それ以上に心をかき乱す海風に、帽子を持っていかれまいと軽く押さえている。
私も彼の視線を追う。とっくに消えてしまった五人の姿を、けれど彼にはいまだに見えているのだろうと想像できた。確かな絆が確かにあった。
「それで」
感傷などまるでなかったふうにこちらを向く。
「なんだって? 海に出たい?」
「……はい」
「一応確認しておくが、それはつまり、てめぇが俺たちと一緒に、肩を並べて、CSARの任務に携わりたいと――そう言っているわけか?」
「はい」
提督は私の言葉を受けてくつくつと笑った。勘弁してくれと言っているように見えた。
壁を這う配管の束に腰かけ、ぎらり、傷だらけの顔で私を値踏みしている。
「だめだな」
「なんでですか」
問いながらも、理由はいくらでも考えられた。
247Res/192.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20