202: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/03/15(日) 12:40:31.96 ID:lzhGd5a70
十七人目の演習相手――もとい、「挑戦者」であるポーラが倒れた。彼女は数秒だけ水上に仰臥していたけれど、すぐに反動をつけて立ち上がる。
「いやぁ、本当に強いですねぇ」
口内から黒煙を吐きだして笑うポーラ。痛覚設定をできるだけ下げての演習なので、痛みはあってないようなものである。それでも絹のような髪の毛が焦げ付いてしまっているのは見るに堪えない。
本人は、寧ろそんなことよりもこのあとの一杯のほうが大事らしかった。顎に指先を当てて「晩酌は何にしましょうかねぇ」と嘯いている。
「さぁ、次は誰が来るっぽい?」
夕立は笑った。犬歯を剥き出しにして。
演習規定に基づいた、オーソドックスな1VS1での十七人抜きは、考えずともに埒外の所業だとわかる。しかも無補給、無休憩でのぶっ通しとなればなおさらだ。
個の強さで全てが決まるのはあくまで決闘であり、私たちの赴く戦争、あるいは戦闘はまた別次元の論理で動いている。とはいえ、銃弾と爆炎の舞い散る最中では、個の強さに頼らなければいけない側面も少なくはない。
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