165: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/24(月) 21:20:44.66 ID:cZJ7+2AW0
「そうですか。本ならいくらか貸せますが」
「大丈夫、気持ちだけありがたく受け取っておくわ」
不知火はちぃとも気を害した様子を見せず、また「そうですか」とだけ呟き、活字へと目を戻す。
大鷹のほうは勉強のようだった。艦娘の就学形態は様々だ。大きな港湾に拠点があるのならそこから直接学校に通うこともできる。そうでなくとも、中規模以上の鎮首府であれば、サテライト授業は大抵どこでも完備している。
ここは船の上だからまず間違いなく後者だろう。宿題か、予習か。どちらにせよ微笑ましいことだ。
『あぁ、もしもし』
後藤田提督の声が脳内に響く。それは私だけではなかったようで、不知火も、大鷹も、電撃が走ったように立ち上がった。
『客だ。後部第一甲板、緊急の梯子に取り付いている』
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