104: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2019/10/12(土) 23:03:01.54 ID:L3t7G6Qz0
「このままでは新しく始めることさえできません。
私の知らないところで私の人生を決められて、導かれるままについていく……それは敗北だわ。まったき負け犬の姿。私が私自身の不幸に負けた、そんなことを認めるわけにはいかないの。いかないのです」
敗北が恥なのではない。敗走が恥なのでもない。戦わなかったことが恥なのだ。
「そっちか」
ふうぅ、と提督が煙を吐く。ポケットから取り出した携帯灰皿に先端を擦り付ける。
「怒りだな。てめぇは怒っているわけだ。なるほどな。クソッ」
怒り。そう言われて、その言葉はしっくりように感じられた。きっと私はこれまでずっとこの身の境遇や不幸に対して怒りを覚えてきたし、これからも怒り続けていくのだろう。
この世に神様はいる。なにより艦娘であるこの身にこそ、艦船の神は宿っているのだから、私を――私たちを不幸に貶めている酷い神だっているに違いない。艦娘を辞めるということは、そんな腹立たしいやつに首を垂れることに等しいのだ。
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