【シャニマス SS】P「プロポーズの暴発」夏葉「賞味期限切れの夢」
1- 20
15: ◆/rHuADhITI[saga]
2019/08/18(日) 02:28:30.44 ID:oj63shz20
「最初に会った頃は、そんなクセ無かったわよね。……そのクセ、二年くらい前からかしら」
「二年前」

 そう言われて強烈に思い当たる節があった。二年前、有栖川夏葉に心底惚れ直す出来事があったのを思い出した。その時の強い印象が、知らず知らずのうちにクセを作っていたに違いない。

 夏葉に「覚えていないのか」と聞こうとした。だがそれは藪蛇だと思い直した。自分の青春語り以上に恥ずかしい思い出だ。そして何より綺麗な思い出だ。可能ならば大切に胸の内にしまっておきたい。
 誤魔化そう、と決意した。

「……それで、学生の頃から、かれこれ二十年近くアイドルというものを見てきたわけだが」

 慎重に夏葉の顔をうかがう。無理のある話の切り替えかと思ったが、夏葉は気にしていないようだった。

「やっぱりさ。贔屓目かもしれないけど」

 狙うは話題反らし作戦の王道、褒め殺しだ。褒めて、褒めちぎって、話題を放課後クライマックスガールズのことに持っていこう。俺は「夏葉たちが一番だったよ」と口にしようとした。

 ……余談だが夏葉を褒めるのは難しい。いい加減に褒めていると思われると、たいてい夏葉は怒るか不機嫌になる。その反面、素直に伝われば彼女はとびきりの笑顔を見せてくれる。伝え方が難しい。それでも最初の頃に比べれば素直に受け取ってくれることは増えたか。

 夏葉はこちらに期待の眼差しを向けた。

「その……」
 そこで邪な考えが浮かんだ。少し上目遣いな視線を向けられて、むくむくといたずら心が鎌首をもたげてきた。要するに魔が差したのだ。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
61Res/84.32 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice