110: ◆YF8GfXUcn3pJ[saga]
2019/08/18(日) 03:16:48.57 ID:OJA0wgUK0
☆
あれから二年が経過した。
大学生になった私は、少しだけ地に足を付けた格好をするようになった。
変わったことといえばそれぐらいで、アイドルはまだ続けているし、身長は相変わらずのままだ。
プロデューサー、すなわち私の元プロデューサーは、私以上に変化がない。
社会人なんてそんなものだ。
でも、人は小さな変化に気付きにくいと言うから、彼は彼で少しずつ変わっていっているのかもしれない。
私だってそうだ。
自覚がないだけで、刻々と変化していっているに違いない。
大人になるというのは、背負う責任が増えることだ。
散々聞かされたそのフレーズ。
私はその言葉を聞くたびに、憂鬱な気分になる。
責任。
嫌な言葉だ。
出来ることなら、何も背負わずに生きていたかった。
左手にうさぎのぬいぐるみだけ握って、一切の重たい荷物を持たずに、宙を泳ぐように生きていたかった。
でも、そんな生き方は机上の空論だ。
初めから分かっていた。
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