14: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2019/08/11(日) 20:32:26.12 ID:hJ05PNkl0
「律子さんの車で送って貰ったら意外に時間かかっちゃって。コレは北海道に行ってたお土産で……って、机のそれ」
彼女の視線がさっきまで『仮想琴葉』だった家電に止まって不機嫌になる。
「……もしかしてまた、私が居ない間にくだらない遊びをしてたんじゃ」
「くだらないとはなんだ!」
俺は強がりながらそう叫んだ。
膝を立てて、立ち上がって、
長期の県外ロケから戻って来た愛妻の傍へと近づくと、
「琴葉が家にいないっていうこの三日間、俺がどれだけ寂しい思いをしたと」
「電話なら毎日してたのに」と彼女は完全に呆れた顔で言った。
「それでもっ、男は寂しいんだ!」俺は今一度自分の意見を主張した。
「そういうの、女々しいって言うの」
「じゃあ琴葉は寂しくなかったのか?」
彼女の言葉を遮るようにして俺はこちらから問いかけた。
荷物を持ったまま琴葉が固まる。その目線が居心地悪げに床に向かい、
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