30: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2019/08/10(土) 00:50:15.07 ID:k2me14jR0
黙り込んでしまうプロデューサーに「あ。それともういっこ」と追撃をかけるべく、話しかける。
「海に行ったとき、質問には嘘偽りなく、って約束したよね。……嘘ついてたら私の命令に何でも一つ従う、っていうのも。」
「あー……。はい。謹んでお受け致します」
すぐに私の言葉の意味するところを悟って、彼は素直に受け入れる。
「うーん。命令、命令か。……よし、決めた。プロデューサーさ、安いのでもいいから、新しい指輪買いなよ。センスに不安があるなら私が選んであげるから」
「……それはまた、なんで? 凛にバレた今となってはもう意味なんてないのに」
「いいから。じゃないと今日のこと忘れてあげない」
「……わかった」
「決まりだね。それに今日のお礼に、またオフもらえるように調整してくれるんだよね? だったら私と合わせてよ。プロデューサーのオフ。その日に指輪、選んであげる」
「え、そんな急がなくても」
「早い方がいいに決まってるでしょ?」
「……そういうもん?」
「そういうもんだって」
「そうか……じゃあ、よろしくお願いします」
「うん。お願いされました」
「……最後にさ」
「? なに?」
「俺も一個だけ聞きたいんだけど……なんでもう効き目がないのにまた指輪を買わないといけないんだ?」
「それは秘密」
どうしても口角が上がってしまうのを抑えられない。
彼はそんな様子の私を見て、私の機嫌が直ったことで安心したのか「秘密かぁー」とだけ呟いてそれ以上は何も聞いてこなかった。
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