84:名無しNIPPER[sage]
2019/08/09(金) 04:29:14.44 ID:+iujvg/60
「如何にも。男さんは精装束をご存知の様ですが、精装束を縫う為の精霊の魔翌力とは何処から手に入れるか…知っていますかな?」
知ってるも何も持ってるしね。でも、精霊の魔翌力ってのは溢れている訳ではないのか。
「いえ…知りません」
「では、是非知っておくと良いでしょう。この世界には精霊の魔翌力を有した魔物…魔獣という個体が存在するのです。並の冒険者では歯が立たず、王家に仕える戦士……神代(ヴァーダ)でないと倒せないと言われております」
「ヴァーダ…?」
王家お抱えの精鋭部隊みたいなもんか?名前からして超強そうだな。
「はい。人の身でありながら、強大な力を持ち、魔獣と唯一対等に戦える者。これは噂になりますが、降霊の儀を終えたヴァーダは、精霊の加護を授かると言われております」
「……!」
まさか、俺と同じ力を持った奴がいるのか。
「逸れてしまいましたね。魔獣を討伐した後、魔翌力を吸収します。吸収した魔翌力を魔縫士に渡し、そこで初めて精装束が完成します」
「へぇ〜!なるほど!……え、じゃあ…さっきの困難を極めるってのは…?」
「先程、魔獣は精霊の魔翌力を保有している事は話しましたね?精装束というのは、完成後に名付けるのでは無く、魔獣の特性で名付けるのです」
「……ん?つまり危ないってのは…」
「お察しの通りで御座います。まだ、烈風はメリル国内にて生きております」
なんて事だ、ジャスミンはそんな危険な魔獣を相手にしようとしていたのか。
「ヴァーダってので、やっと倒せるくらいの相手…なんだよな?ジャスミン……大丈夫なのか?」
「あ、は、はい……自信は無いですけど…」
暫く黙り込んでいたジャスミンを見て、ふと疑問が浮かぶ。何故護衛任務をやっているんだ?考えれば生きる為だのなんだの理由は思い付くが、護衛で遠出する必要性がない気がする。
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