235:名無しNIPPER[sage]
2019/08/21(水) 00:40:39.11 ID:f9a2WY3tO
いや、今は情報を集めよう。王にしたって追いつける保証はないからな。でも誰に聞けば…………あっ、ギルドに入ってきた男が居た!あいつなら何か……ん?
待てよ。何であの男は戦争が始まるのを知っていた?見た所まだ王宮は準備を始めたばかりだし、ここまで走ってきたが街の雰囲気はこれから戦争が始まるという感じではない。
恐らく近々知らせがあるんだろうが、今の様子からまだ街の人々は知らないはず。それをただの冒険者が知っているのは……怪しいな。まだ居てくれよと願いながら、俺はギルドを目指す。
〜冒険者ギルド
「…居た」
例の男が居た。他の冒険者と一緒に酒を飲んでいるが、戦争に参加するってのに呑気なもんだ。エメクは……居ないか。俺は男の居る卓の空いた席に座った。
「なぁ、あんた」
「ああ?……何でぇ、ギルドから飛び出してった兄ちゃんじゃねぇかよ。ビビって逃げ出したかと思ってたぜ」
茶化され、周りの冒険者も同調して笑う。笑いたきゃ笑え、今はどうでもいい。
「あんたさ、何で戦争が始まるのを知っていたんだ?」
「あ?なんだよ…そんな事か。ノワールから聞いたんだよ」
「ノワール?」
「何だよ兄ちゃん、外部の人間か?」
「あ、ああ……辺境から来たもんで…そのノワールってのは有名なのか?」
「おうよ!情報屋ノワールって言ったら、ここいらで知らねぇ奴はいねぇさ」
情報屋ね…。情報は鮮度が命と言うが、仕入れの速さから相当な奴だとわかる。ならば、そのノワールから有益な情報を更に聞き出すしかないな。
354Res/270.58 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20