21:名無しNIPPER[sage]
2019/08/05(月) 16:06:00.27 ID:f+nH/MKh0
「あんたが嘘を言ってるようにも見えなかった。これでも嘘を見抜くのは得意なの。だから多分あんたの話は本当なのね」
まさかこんなにあっさりと信じて貰えるとは思ってなかったぞ。
転生した俺に対するご都合展開かな?
「明日からはどうするの?お金、無いんでしょ?」
「それが今の悩みの種だね、戦えればギルドの依頼とか受けたいけど……」
「採取依頼とかは?時間はかかるけど、あんたでも出来るんじゃない?」
確かに、と声が漏れた。集めるだけなら俺でも出来るだろう。
そうか、採取依頼か。良いかもしれない。
「ありがとう。参考にするよ」
「私も面白い話聞けたしね、別に」
女はベットから離れると持ってきた鞄から櫛を取り出して、桃色の髪を梳かしている。寝る前の習慣かな?
そんな事を思っていると、また腹が大きな音を立てる。
「……そういえば、あんた何も食べてなかったんだっけ?」
「うん……こんな事頼むのもアレなんだけど、食べ物ってある……?」
「ちょっと待ちなさい…………ほら、干し肉だけど」
女は鞄から、紙で包まれた干し肉をくれた。
優しさに涙が出そうになったが、我慢する。
俺は包を剥がし、干し肉食べる。滅茶苦茶美味い。
「ありがとう。ほんとに…」
「良いわよ。私はさきに寝るからね、食べたらあんたも寝なさいよ。あと変な事したら[ピーーー]から」
「怖ァ…」
女は隣のベットに潜ると、就寝する。
俺も干し肉を食べ終わり、満腹になると明日の事を考える。
ちゃんと、生きていけるかな。というか浮かれて忘れてたけど、死のうとしたのに生きようとするなんて変な話だな。
まぁ転生なんてしたら死んだも同然か。切り替え切り替え。
ベットに入り、明日に備えてしっかりと寝よう。
おほ〜ベット気持ちいいぃ〜。
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