208:名無しNIPPER[sage]
2019/08/20(火) 14:37:51.99 ID:7jJYpAViO
「お待たせしました〜」
俺のエールが届いた。せっかくだしエメクと乾杯をしよう。俺は樽ジョッキを持ち、俺達の間くらいに掲げる。
「エメク、乾杯しようぜ」
「…………」
また無視されると思ったが、エメクはグラスを持って乾杯してくれた。エメクはいくつくらい何だろう、子供にしては落ち着いているし大人びた雰囲気もある。まぁ冒険者やるくらいだし、この歳の子はそういうもんなのかな。
横目に見ていたら、ドリンクを飲むエメクの顔が歪む。
「ん?……お前それ…もしかして酒か?」
「…………そうだけど」
何ぃ?異世界とはいえ子供が酒を飲むのはいかんのではないか?ギルドの奴等は何故出した?
「まだエメクには酒は早いんじゃないか?」
「…………別に」
「ほら、駄目だって」
俺はエメクからグラスを取り上げ、自分の元に持ってくる。いつから飲んでいるかは知らないが嵩が全然減っていない。
「…………」
「そう睨むな、ジュース頼んでやるから」
通りかかった給仕に甘いジュースと、ついでに適当なツマミを注文する。
「飲めないのに…どうして酒なんか頼んだんだ?」
「…………」
エメクは肘を突き、手に顎を乗せてそっぽを向いてしまう。
「……別にいいでしょ」
「良くない、子供が飲むと身体に悪いんだぞ」
「…………」
エメクは流し目で俺を見る。
「…………子供扱いしないでくれるかな」
「だって子供じゃん」
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