19:名無しNIPPER[sage]
2019/08/05(月) 15:26:09.21 ID:f+nH/MKh0
野宿、かな。人は減ったとはいえ、表で寝るのは些か気が引ける。
路地裏に行こう、ここなら人目につかない。
近くの路地に入っていくと、建物と建物の間に良い感じのすぺーすがあった。
「はぁ……」
溜息が出る。無理もない、こんなはずじゃなかったんだから。
メリルの町は路地裏も綺麗なのか、横になっても問題なさそうだ。
ちょっと硬いけど、これくらいなら寝れるだろう。
「あんた、何してんのよ」
「え!?」
突然声を掛けられ、俺はあらぬ声を上げる。まさかこんな所に人が居るなんて思いもしなかったからだ。
声を掛けたのは昼間の女。
あの時もそうだが、上半身を濃い茶色のフード付き外套に身を包み、下は短パン、顔は良く見えない。
「依頼から帰ってきたらあんたがいたのよ。何するのかと思ったら路地裏に入ってくし、寝ようとするし……何してんの」
「あぁ〜……」
見られてたのか、恥ずかしいな。
「お金が無くてね、仕方なく野宿をしてるんだ」
「あんた、やっぱり冒険者じゃなかったのね。何者なの?見たことも無い格好だし」
「……突拍子も無い話だけど、聞いてみる?」
「聞くわ。宿でね」
「え?」
今なんて言った?宿?
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