162:名無しNIPPER[sage]
2019/08/17(土) 23:37:43.58 ID:QAupTT0a0
しばらく待っていると、先程の兵士が戻ってきた。
「お待たせしました。御案内します」
そう言うと中へと歩き出したので、俺達は後を追う。
「やっぱりここに居たね」
「そう、ですね…」
こそこそ話していたら兵士が立ち止まり、俺達に向かって敬礼する。正門から王宮までは距離があり、敷地内には色々と家らしきものが大小と点々と存在している。俺達はそのうちの一つの前で止められたという事は、ここにクレアが居るのだろう。
「クレア様は此方においでになります。それでは、失礼します」
「ありがとうございます」
俺は兵士に頭を下げると、ジャスミンも続いた。兵士が遠くなっていき、俺達は段差を上がって扉をノックする。
「入りなさい」
この声は間違いない、クレアだ。こちとら苦労したってのに…まぁ言ってても仕方ないな。許可が出たので扉を開けると、そこには執事のゲルムが深々と頭を下げて待っていた。クレアは奥の窓近くのテーブルに腰掛け、ティーカップを口に運びながら俺達を見ている。
「男さん、ジャスミンさん…先日の非道なる判断……大変申し訳ありませんでした」
「い、いやいや!頭を上げてくださいよ…別にあれは仕方ない事ですし」
「は、はい……私が不甲斐ないばかりに……ごめんなさい…」
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