112:名無しNIPPER[sage]
2019/08/11(日) 17:29:29.56 ID:epqmQo9JO
俺はあれこれ考え、実行する。
「…はぁ〜〜っ…ついてねぇな……馬車から投げ出されて、挙句野盗に襲われるとか……俺の運も尽きたか」
俺は両手を上げ、抵抗しないよとアピールしてみる。
「ヒャハハハ!見ろよ!こいつ抵抗すらしないぜ!?」
「…素直だな。何か企んでねぇか?」
髭面は俺の行動を怪しむが、馬鹿には通じそうだ。
「こっちは1人気絶してるしな。守りながら抵抗するにしても圧倒的に不利だ、俺も馬鹿じゃないさ」
「随分と落ち着いてんじゃねぇか。肝が据わってるのか、ただの馬鹿なのか…」
髭面は長い髭をさすり、俺の様子を窺う。
「変な詮索しなくても、ただの馬鹿だよ俺は」
そう言いながら奴らの装備を確認する。馬鹿の得物は剣、特に硬そうな装備はしてなくて、布で出来た服だけ。
髭面は布の服の上から胴当てと、頭に角が左右に生えた兜、両手には篭手を装備している。得物は斧だが、まだ背中に差したままだ。
やるならこの馬鹿からだな。
「ダンテ!このビビり野郎をアジトに連れていこうぜ!」
「…まぁ良いだろう。お前、変な気起こしたらぶっ殺してやるからな」
髭面は俺を指差し、目で威圧してくる。安心しろよ、すぐに変な気起こしてやるから。
「わかったよ。俺のツレ…気絶してるし、抱えてもいいか?」
「ったりめぇだろ!さっさと持て!!」
「ああ…ありがとう」
馬鹿が。
ジャスミンに振り向く勢いのまま、ショートソードを鞘ごと抜き、そのまま振り向いて、後ろに居る馬鹿の顔面に鞘を叩きつけた。
馬鹿は勢いよく転げ回り、ピクリとも動かなくなる。やべぇ、やりすぎたか。
「ちっ…油断しやがって。やってくれるじゃねえか兄ちゃん…大した馬鹿力だが、俺はそう簡単にはいかねぇぞ」
髭面は斧を抜き、構えをとる。マジか、今の見て反応それだけか。
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