63: ◆v0AXk6cXY2[saga]
2019/08/17(土) 18:13:57.73 ID:9YnfOZCp0
『三日後の土曜日、午後二時。あの交番の前の広場で待っています。……それで、最後にしますので。どこにいたって、見つけ出して見せます』
まるで学生の告白のようだ、と内心で自嘲する。そう、それが俺のタイムリミット。それは言わなかった。同情を買いたいわけじゃあないし……夢は売っても同情を買うのはプロデューサーの仕事じゃないって、そう思うから。
だからだろう。彼女は頷かなかった。けれども否とも言わなかった。
俺は小さく会釈をした。そして期待と不安のないまぜになった別れの言葉を告げる。
『それじゃあ、また』
……それからの記憶はあまり覚えていない。ただ、俺は夢を終わらせることを決めたことだけは覚えていた。
俺のケータイの履歴、その一番上には……あの社長の電話番号が残っている。
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