4:名無しNIPPER
2019/07/30(火) 23:21:26.37 ID:5Y9orGSy0
その後も何度か試したが、結果は同じことであった。
モバP「これは驚いた、その力は本当のようだ。しかし世論調査とはどういったことだ」
ちひろ「先程申し上げましたとおり悲しみを背負っている人間のもとへ行き、記憶を買い取るのが私達の使命でございます。買い取るとはいっても読み取った記憶を消すことは無いのでご安心を。しかし、こういった境遇の人間は自分から逃げてしまう傾向があり、言葉でその内容をお聞きしてもその根本から原因がわからないのです。そこで、記憶ごと分析することでその原因を突き止め、それをこの世界に反映させることでより良い世界を作るといったことを神がやっているのです」
モバP「神というのが何なのかはわからないが、超常的な力があることは間違いがないようだ。とりあえずは信じよう。しかし、記憶を消すというのは何に使うんだ?」
ちひろ「我々の存在が世に出てしまっては混乱が生じる可能性もございますから、この会話に関する記憶だけを消させていただくのです」
男が納得をしたような素振りを見せると来訪者は話を本題へと移した。
ちひろ「わたくしたちは悲しげな雰囲気、不幸といった負の感情を感じることのできる力も与えられているのです。あなたからはそれを感じる。もしよろしければ言葉で説明してはいただけませんか?」
モバP「いや、それが全く思い出せないのだ」
ちひろ「思い出せないといいますと?」
モバP「ここ20年ほどの記憶が全く無いのだ。頑張って思い出そうと紙に書き出したりなどしてみたが、学校を卒業してから2日前までどこで何をやっていたのかが全く思い出せない。一昨日にこの部屋で急に目を覚ますと机の上にカネが置いてあったこれもなにか関係するのかもしれないが、しかし、なにか悲しいことがあったような気持ちだけが残っていて……」
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