魔物使い「汚らしい! ボクに触れるなっ!」竜の子「汚らしいのは、お前だっ!!」
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:49:38.08 ID:jtQcW+hGO
「これにて、一件落着ですね」
「……流石は若。見事な名裁き」
「ううっ……からかわないでよぅ」

わだかまりは残りつつも、それでもほんの少しだけ前向きになれた姉妹達を、山頂に残して。
竜の子と生贄娘と魔女は揃って下山していた。

「それにしてもご両親の登場には驚きました」
「……びっくりしすぎて、ご挨拶、忘れた」
「ううっ……恥ずかしいよぅ」

ドンピシャなタイミングで現れてくれたことには感謝しているものの、やったことは糞を落としただけなので息子としては恥ずかしかった。

そんな竜の子はさておき生贄娘は魔女に問う。

「ところで、我が弟子のあなたに一点お尋ねしたいことがあるのですが、よろしいですか?」
「……何?」
「もしや、今のあなたはノーパンですか?」
「……ノーコメント」
「やはり! 下着はお返しするので今すぐにお穿きなさい! 規制されたらどうするのですか!」
「……その下着は、若にあげたもの」
「全年齢対象の健全なこの物語において、あられもない卑猥な下着は相応しくありません!」
「……若は、穿いてないほうが好き、だよね?」
「そこでなんでいつも僕にそれを聞くの!?」

いつも通り生贄娘と魔女の諍いに巻き込まれた竜の子は涙目で困り果て、そんな可愛い未来の竜王を見て、彼女達はくすくすと笑っている。
どうやらまたもや、からかわれたのだと気付いた竜の子は、顔を真っ赤にして、恥じ入った。

「さあ、若様」
「……若、顔を上げて」

恥じて俯く竜の子の左右の手を、生贄娘と魔女が片方ずつ取って、それぞれ美しく微笑んだ。

「また新たな冒険に出かけましょう」
「……どこまでも、いつまでも一緒」
「うん! どこまでも一緒に行こう!」

この先何があり、何が起こるかはわからない。
それでも、何ひとつとして怯えることはない。
竜の子はもう、独りぽっちではないのだから。


【魔物使いの生きる意味】


FIN


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