魔物使い「汚らしい! ボクに触れるなっ!」竜の子「汚らしいのは、お前だっ!!」
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19:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:48:05.75 ID:jtQcW+hGO
「……ボクは、間違って、いたのか……?」

竜の子の咆哮で魔物使いは正気を取り戻した。

「ああ、そうだ。お前は間違っていた」
「じゃあ、ボクは、これまで何の為に……?」
「知らない。だけどひとつわかることはある」

これまでの自らの行いを否定され空っぽになった魔物使いに、竜の子は明白なことを告げた。

「これからは、妹の為に生きればいい」
「妹の、為に……?」
「もうそれしかお前には残ってないだろう?」

確信を持って人間に問いかける竜の子のその鋭い眼光に父である竜王の面影を見て、生贄娘は思わず傍らに跪き、魔女もまたそれに従った。

「お前は、いったい……?」
「若様はいずれ、偉大な竜王となられるお方」
「……頭が、高い」

ただならぬ雰囲気に、呆然とする魔物使いに。
深々と頭を垂れたまま生贄娘と魔女が竜の子の身分を明かすと竜の妹もそれに習い平伏した。

「偉大なる、竜王様……お姉ちゃんを、助けてくれて……本当に……ありがとう、ございました」
「い、いいよ……そんなに畏まらなくて。元々は父上の粗相が原因だから、気にしなくていい」

照れ臭そうに鼻を掻きつつ父の粗相を謝罪し、マッチポンプとなることをなんとか回避した竜の子は、やはりまだまだ幼子ではあるが、優しい竜王になりそうだと、一同は思った。


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