魔物使い「汚らしい! ボクに触れるなっ!」竜の子「汚らしいのは、お前だっ!!」
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16:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:40:04.90 ID:jtQcW+hGO
「ですが、若様……あれをご覧くださいませ」
「えっ?」

生贄娘が指を差した方向を見ると、そこには。

「お姉ちゃん、どこ? どこに、いるの……!」

山となり聳える巨大なドラゴンの糞を懸命に掘って、下敷きとなった魔物使いの姉の姿を、竜の妹は探し、なんとか救出しようとしている。

そんな健気な竜の妹に対し、生贄娘は尋ねた。

「何故、あんな姉を救おうとするのですか?」
「たった、ひとりの……お姉ちゃん、だから」
「あれ程の酷い仕打ちをされたのにですか?」
「それでも……私は、愛しているから……!」

涙を流しながら糞を掘る竜の妹は、非情な姉をそれでも愛しているとそう言って掘り続ける。
それで全て腑に落ちた。合点と納得がいった。
何故、父親と共に打ち首に処される姉を救ったのか。それが答えであり、それが全てだった。

どんなに非情でも。
どんなに恨まれても憎まれても。
どんなに酷い仕打ちをされたとしても。

竜の妹にとって、姉はたったひとり。
姉が居なければ、自分は独りぽっち。
その孤独が嫌で、怖くて恐ろしくて。
だからどんなに、嫌われたとしても。

竜の妹は世界で唯一の姉のことを愛し続けた。


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