1:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:01:58.32 ID:6reTroXT0
魔術師「古い図書館で読んだ異界の探偵小説に触発されて探偵所を開いたものの...」
魔術師「依頼人が全く来ねえ!!」
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2:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:04:51.33 ID:6reTroXT0
剣士「そりゃこんな辺鄙な土地に構えてもねぇ」
魔術師「お、いたのか剣士。いっつも手伝いに来てくれてありがとな」
剣士「いえいえ。俺も魔術師さんの助けになれて嬉しいよ」
3:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:05:35.45 ID:6reTroXT0
剣士「でも、まずは何かしらの営業活動をしてみたらどう?このままじゃ魔術師さん、明日の生活も危ういでしょ」
魔術師「失敬な、あと1ヶ月ぐらいは安泰なハズだ!」
魔術師「...まぁそれはそれとして、こういう仕事は最初に1発どでかい案件をこなして、後はその口コミでじわじわと仕事を増やしていくべきだと思うんだよ」
4:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:06:18.77 ID:6reTroXT0
カランカラン...
2人の喜びに共鳴するように、玄関のドアについたベルが音を立てる。
??「こんにちは、ここの探偵さんはご在宅かな?」
5:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:07:20.97 ID:6reTroXT0
【応接間】
魔術師(通したはいいが...フードを深く被っててイマイチ顔が分かんねーな)
剣士「どうぞ」コトッ
6:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:08:10.64 ID:6reTroXT0
??「...できれば名前は勘弁してくれないか?依頼に差し支えることはないと思うから」
魔術師「いやぁ、それはちょっと困るな。なんせ一国の王子さま相手となると下手な依頼は受けられねぇ。ましてや名前を隠してまでの頼み事となるとな」
剣士「え?魔術師さん何いって...」
7:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:08:57.48 ID:6reTroXT0
魔術師「初歩的なことさ、ワトソンくん。僕は魔術師だぜ?それも土魔法が一番得意なんだ」
魔術師「僕ぐらいの魔術師になれば、相手の靴についた土に魔力を流してそれまでの道のりを調べることだって出来る」
魔術師「そして、さっきお前がお出ししたコーヒーはとある王家御用達で有名な豆だろ?」
8:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:09:37.52 ID:6reTroXT0
王子「口に出すのも恥ずかしいのだけど...。」
王子「私と一緒に町を回ってくれないか?」
剣士「王子さん...いくら魔術師さんが女顔だからってそれは...。」ジーッ
9:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:10:15.01 ID:6reTroXT0
【町】
魔術師「さて、ここが僕達の国で一番栄えてる町だ」
剣士「探偵所から馬車で40分。近いとも遠いとも言えない微妙な距離だよね」
10:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:10:48.15 ID:6reTroXT0
【酒場】
ガヤガヤ...
王子「こ、ここが酒場か...」
11:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:11:29.36 ID:6reTroXT0
戦士「よ〜う嬢ちゃん、見たところ結構腕がたちそうだな。どうだ?俺たちとチーム組まないか?」
魔術師「...それはもしかして僕に言ってるのか...??」ワナワナ
剣士(魔術師さんから憤怒のオーラが出ている)
12:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:12:06.61 ID:6reTroXT0
王子「それはそうとさっきの彼、気になることを言っていたね。新聞に依頼がどうとか...」
魔術師「はんっ!大方ただの方便だろうさ」
王子「ここに置いてあるのがそうかな。どれどれ」
13:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:12:40.03 ID:6reTroXT0
酒場の入口付近には、見るからに浮いた格好の二人が佇んでいる。
令嬢「わたくしの愛するあの王子はこんな低俗な場所にいらっしゃるのかしら?もっと違う場所を捜索してはどう?」
執事「うーん、あの王子のことだから、興味本位で立ち寄ってしまいそうな気もします」
14:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:13:13.77 ID:6reTroXT0
令嬢「ま、付き合いの長い執事さまの言うことには従いましょうか」
執事「寛大な御心、感謝しますよ」
魔術師(よし、このまま通り過ぎれば!)スタスタ
15:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:14:03.90 ID:6reTroXT0
魔術師「僕は今、あなたという美しい淑女に出会いました。」スッ
令嬢「はぁ?」
剣士「はぁ?」
16:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:14:40.88 ID:6reTroXT0
魔術師「いいから剣士たちは先に出てろ」コソッ
剣士「は、はあい」コソッ
魔術師「どうです?あてのない王子さまを探すより、もっと身近な白馬の王子を探してみては?」
17:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:15:09.07 ID:6reTroXT0
令嬢「あの男、いったいなんのつもりかしら!由緒正しい貴族のこのわたくしを口説くだなんて!」
執事「まぁまぁ、あの人も本気じゃなかったようですし」
令嬢「それが悔しいの!遊びでわたくしを口説くなんて何様のつもり!」キーッ
18:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:15:48.86 ID:6reTroXT0
【町】
剣士「魔術師さん、きみナンパの才能無さすぎるよ」
王子「流石の私でもちょっと引いたよ」
19:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:16:18.88 ID:6reTroXT0
剣士「ね、魔術師さん、ちょっといい?」
魔術師「ん?なんだ剣士」
剣士「王子さま、ちょっと俺たち席を外すね〜」
20:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:16:59.48 ID:6reTroXT0
剣士「お待たせ〜、待った?」
魔術師「お前は待ち合わせ中の女子か」
王子「いや、全然」
21:名無しNIPPER[saga]
2019/07/25(木) 22:17:31.77 ID:6reTroXT0
【町外れ】
馭者「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!スマイル印の馭者ちゃん運輸でーす!」
魔術師「そんなキャッチコピーあったか?」
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