精霊使いのお姫様「魔女殿を助けたくはありませんか?」竜の子「助けたい!」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/24(水) 20:36:49.24 ID:a/Td8N0wO
「昏き穴蔵の魔女殿、お迎えにあがりました」

竜の子とパートナーである生贄娘、そして新たに大人勃ち……もとい、お友達となった魔女を乗せた船は無事航海を終え、海の向こう側の港町に着港して、久しぶりの大地に足を踏みしめる喜びに浸る間も無く、兵士達に取り囲まれた。

「な、なに……? 僕、なんか悪いことした?」
「若様、危険です。お下がりください」

物々しい雰囲気に危険を感じた生贄娘は、自らが捧げられた竜王の子を己の背に庇い、問う。

「あの方々はあなたのお客様ですか?」
「……そう」

兵士に名指しされた魔女は静かに頷き認めた。

「とても友好的とは思えませんが……」
「……あなた達には、迷惑をかけない」

そう言って魔女は、竜の子の小さな手を取る。

「……若、ごめん」
「魔女さん……?」
「……やっぱり、私は、お友達にはなれない」
「えっ?」
「……私は、若達の傍には、いられない」

一方的に告げて、黒真珠の瞳を伏せる魔女は、まるで泣いているようで、切なくなった。

「……そんなこと、言わないで」
「……ごめんね。もう、行かないと」
「っ……行かないでっ!」

兵士達と共に立ち去ろうとする魔女を、竜の子が思わず引き留めると、魔女は困ったような、泣きそうな顔をして、なにやら手渡してきた。

「……さようなら。私の、初めての、お友達」
「魔女さんっ!?」
「……どうか、忘れないで」

一雫の涙を零して別れを告げて、魔女は踵を返し、それっきり振り返らずに、立ち去った。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/24(水) 20:40:57.21 ID:a/Td8N0wO
「いや〜清々しましたねぇ!」

一人減り、再び二人だけの旅が始まり、生贄娘は上機嫌で鼻歌を奏でながら前を歩いている。

「一時はヒロインの座を奪われるのではないかとヒヤヒヤしましたが、口ほどにもありませんでした。やはり、天は私の味方のようですね」
以下略 AAS



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