芹沢あさひ「青空の水槽」
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6: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2019/07/24(水) 12:26:21.18 ID:rmJoFnhWo

 それから、考える。ここはどこだろう? 
 足元には黒のアスファルト。それから、いつの間にか引かれていた、なにやら意味ありげな白線模様。どうやら、これが私にとって最も自然な状態らしかった。
 そうして綺麗に対比する二つの並びには、やはりというか、はっきりとした見覚えがある。
 これは多分、交差点だ。
 
 そうと分かれば、あとはもう自動的だった。
 無数の線が縦横無尽に周囲を走る。
 それから間もないうちに、まるで一陣の風みたく辺りを吹き抜けた色の洪水にあてられて、風景は一瞬で色づいた。
 ついさっきまで無地だった世界が呼吸を始めて、私はようやく理解する。ここは渋谷だ。

 私は水色の在処を探す。だけど、それはすぐに見つかった。




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