3: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2019/07/24(水) 12:23:50.48 ID:rmJoFnhWo
思いもよらない質問に頭を悩ませる私の横で、彼女は先ほど自動販売機で買ったばかりのミネラルウォーターを掲げてみせた。
「そもそもの前提として、一般に水と称される液体はおおよそ無色だ。それはいい?」
「勿論っす」
「そのことを踏まえた上で、じゃあ、あさひは水という言葉からどんな色を連想する?」
半透明のボトル容器に支えられた水面はぴたりと凪いでいる。
普段、私が宙に思い描く水槽もまた、眼前のそれと同じくらいに穏やかで、しんと静まっている。
その二つを頭の中にぼんやりと並べてみて、なんだか変な話だ、と私は思った。
水に限らず、液体は流動性をもつ物質だ。止まっている方がおかしい。
「水色っすね」
私は答えた。
プロデューサーさんはわざとらしく首を傾げる。
「水色、というのは水の色のことではなく、青を薄めた色という意味だよね」
「そうっす」
「だったら、もう少し具体的な補足が欲しいな」
「具体的、っすか?」
「偏に水色といっても色々ある。文字通り、色々と。たとえば、そうだな、あさひの思う水色からさらに連想されるものは何だろう?」
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