女「夢桜、どうか散らないでいて」
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160: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/08/11(日) 05:32:14.69 ID:JDMl+INM0

ーーー客間ーーー

男「──まずは、この度の非礼、申し訳ありませんでした」

男「お相手が既にいると知ってからも度々秘密裏に会っていたこと、一貴族として非常に愚劣な行為でありました」

女父「度々、な…」

女「!そ、それは──」

女父「口を閉じなさい、女。言われずとも分かっていたことだ」

女「………」

男「そして、事前の申し出もなく突然来訪してしまったこと……」

男「……これから重ねるさらなる非礼についても、謝罪致します」

女父「…なんだと?」

男「女父様は、そちらに座っている女さんがどれだけ優しく、強い心を持っているかご存知ですか?」

女父「……んん?」

男「他人を慮り過ぎる故、相手の気持ちを考えただけで涙を流してしまうような……そんな優しさ」

女(男さん、なにを……?)

男「常に利他を優先し、ブレることのない心の強さ」

女父「…男君、君が何を見て来たのかは分からないが、それしきのことを父である私が知らないとでも思っているのね?」

女父「所詮は赤の他人の付け焼き刃。よく私の前でそのような口がきけたものだ」

女父「まさかそれも謝罪の一貫と言うのではあるまいな?」





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