女「夢桜、どうか散らないでいて」
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14: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/07/24(水) 10:06:26.79 ID:lYLqPDaj0

ーーー女家 お屋敷ーーー

召使「──おかえりなさいませ、お嬢様」

女「ただいま帰りました」

召使「お嬢様、本日は少々お帰りが遅かったようですが、何かございまして?」

女「ん?ちょっと女友とね、寄り道をしていたんです」

召使「寄り道、でいらっしゃいますか……?」





女父「──よい、召使よ。話は聞いておるからな」





召使「これは旦那様」

女「ただいま帰りました、お父様」

女父「うむ。聞いたぞ、女よ。青年殿と会われたようではないか」

女「はい。ですがお父様?彼、私に会うために学校を早くあがってきたとおっしゃっていましたの。……もしかして、少々やんちゃなところがあるのかしらと」

女父「ははは、茶目っ気もあっていいことではないか」

女「茶目っ気で済ませられるものでしょうか…?」

女父「それになにより、それだけお前のことを想ってくれているということだ。嬉しいことだ」

女「まぁ…そうですわね」

女父「まだお前が幼い頃、家の安泰のためとはいえ早計な婚約をした時には少し不安であったが……」

女父「お前たち、既におしどり夫婦のようだと評判だぞ」

女「……私には勿体ないくらいのお方です」

女父「何を言うか。青年殿ほどお前のことを想ってくれている男は他におるまい。婚儀を待ちきれずお前に会いに来るほどの──」

女「──お父様、そろそろ夕食をとりませんか」

女父「む?おお、そうだな。お前は今日この後、歌の稽古があるのだったな」

召使「既に用意は出来ております。こちらへ」

女父「うむ」テクテク

女(………)







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