6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 23:42:26.81 ID:lIL3ZnEMO
「……なるほど。人間と竜の子供、なんだ」
幸いにも周囲には当事者3名の他に誰もおらず、竜の子についての説明はその場でなされた。
「知られてしまったからには仕方ありません」
「生贄娘、魔女さんをどうするつもり……?」
渋々説明をした生贄娘の不穏な空気を感じ取り、お尻ペンペンのこともあって怯えた竜の子が恐る恐る尋ねるとその不安は見事的中した。
「やはり、息の根を止めるしか……」
「早計にもほどがあるよ!?」
物騒なことを口走った生贄娘を慌てて止めて、竜の子は他の方法を考えて考えて、閃いた。
「そうだ! 魔女さん、僕とお友達になろう!」
「……おとも、だち……?」
その単語の意味が咄嗟に理解出来なかった魔女は、反芻するようにもう一度声に出してみた。
「……大人、勃ち?」
「ほえ?」
「この痴れ者が! 若様の前でなんて言葉を!」
規制ギリギリのそのワードに健全な物語を遂行するのが務めである生贄娘は過敏に反応した。
「若様を大人勃ちさせるのはこの私です!!」
自らの務めをすっかり履き違えた生贄娘がそう宣言すると、魔女は威風堂々と張り合った。
「……その勝負、受けて、勃つ」
「字が違ってますよ、痴魔女」
「……ショタコン」
「おっと……これには流石の私もキレそうです」
「……切れ痔?」
「若様ー? 私は切れ痔ではないですよねー?」
「ここで僕にそれを聞くの!?」
バチバチとやり合う生贄娘と魔女の醜い諍いに駆り出された竜の子は、己の不幸を呪った。
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