男「世界が崩壊したので旅に出る」
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3: ◆jPpg5.obl6[saga]
2019/07/20(土) 20:00:02.60 ID:uMGHN9V30
入口の扉を開けて盗賊二人組が静かに酒場に入ってきた。
二人で付かず離れずの距離を保ち、一人は拳銃を、もう一人は大型の散弾銃を持ってお互いの死角をカバーしながら室内の捜索を始めている。

酒場はそれほど広くないから、この分だと彼らはすぐにこのカウンターまでやってくる。

俺は床に腹這いになり、音をたてないように気を付けながらゆっくりと厨房に入った。
奴らが来るまでは少し時間がある。その前に準備を済ませておかなければ。
バックパックからお手製のペットボトル製サプレッサーを取り出し、拳銃の銃口にビニールテープで固定。
そしてバックパックとライフルを厨房入口から見えやすい、調理台の上に下ろす。これで準備完了だ。

二人組はカウンターの捜索を終え、今まさに厨房に入ろうとしているところだった。慌てて厨房入口からは死角である大型冷蔵庫の陰に身を隠す。
調理台の荷物に気を取られた散弾銃の男が先頭になり、続いて拳銃の男が入ってきたその瞬間、俺は冷蔵庫の陰からほんの少しだけ身を乗り出し、散弾銃の男の胸めがけて素早く三発撃ちこんだ。

撃たれた男はひっくり返るようにして床に倒れこんだ。
相棒の死に動揺し、一瞬だけ拳銃男の反応が遅れた。
ほんの一瞬だけだったが、俺が相手につかみかかり、銃口を逸らせて、左肩の鞘から抜いたナイフで終わらせてやるには十分すぎるほどだった。

鳩尾にナイフの一撃を受け、喉の奥からごぼごぼと嫌な音を出しながら相手は死んだ。さほど長くは苦しまなかったはずだ。

厨房の床に出来上がった二人分の死体を見下ろし、彼らのうちどっちがワシーリイで、もう一人はどんな名前なのか、どうでもいいはずのことがひどく気になった。

妙なことを考えてないで、必要なことをやれ。ほかの盗賊はしばらくやってこないとは思うが、念のために死体は隠す必要があるぞ。

二つの死体はさっきの冷蔵庫に隠した。苦労はしなかったが嫌な作業だった。
再びバックパックとライフルを背負い、拳銃を構え、酒場の裏口から外に出た。



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