魔王「魔物使い、貴様はどのような世界を望む?」魔物使い「ほえ?」
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15:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/18(木) 23:36:02.76 ID:Yz/20wypO
「魔王様、ご報告します!」
「なんだ?」
「魔物使いを処分いたしました!」

終わりの時は、突然訪れた。

「今、なんと言った……?」
「そろそろ魔物使いもくたばった頃合いだろうと思い、地下牢へ様子を見に行ったところ、なんと奴はまだ生きていて、薄気味悪い高笑いをしていたので、息の根を止めてきました!」

誇らしげに職務を全うしたと報告する衛兵の言葉の意味がわからず、魔王はもう一度問うた。

「魔物使いを、どうしたのだ……?」
「処分しました! 奴め、最期の最期で命乞いをして、魔王様に一目会いたいとほざいておりまして、流石の私めも怖気が……」
「もうよい」
「えっ?」
「もう、聞きとうない」
「あ、そうですか! 申し訳ありません! 魔王様の前で不愉快な魔物使いの話をして……」
「不愉快なのは、貴様だ」

魔王はこの上なく、不愉快だった。
つい先日まであんなにも愉快だったのに。
故に、不愉快な衛兵を、食らった。

「ま、魔王様!?」
「その者が何をしたと言うのです!?」
「黙れ。どいつもこいつも、不愉快だ」

配下共にはわからない。
魔物使いがどれだけ大切だったかなど。
あの無礼で下劣で頼り甲斐のない狂った男がたまに見せる、あの可愛らしさなんて。
配下の魔物達には、わかる筈もなかった。

「もうおしまいだ。我も、貴様らも、世界も」

世界を手に入れる寸前で、魔王は未来に対する希望を喪い、乱心して世界を滅ぼそうとした。


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