魔王「魔物使い、貴様はどのような世界を望む?」魔物使い「ほえ?」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/18(木) 23:26:02.24 ID:Yz/20wypO
「次は食事だ」

ようやく着替え終えた魔物使いに魔王は食事の膳を差し出した。彼はワクワクして尋ねた。

「良い匂いですねぇ。これは何ですか?」
「それは人肉だ」

膳に乗せられた肉は、人間の肉である。
その仕打ちに対して、彼はどのような反応をするのか。それを魔王は見て、見極めたかった。

「へぇ……人肉は初めて食べますね。あむっ!」
「ッ!?」
「うへぇ……筋張っていて、とても食えたものではありませんね。もちろん、完食しますが!」

ガツガツ、バリバリ、ボリボリと。
魔物使いは一切の躊躇なく人間の肉を貪った。
唖然としていた魔王は、魔物使いが着た衣服の裾口から覗く古い傷跡を見て、全てを察した。

この者は人間を恨んでいるのだと。

「そうか……貴様はもう、壊れておるのだな」
「へっ? もぐもぐ。何が仰いましたか?」
「いいから食事を続けろ」
「はい! わかりました!」

自らが捌いた人間の肉を食う人間の魔物使いを見て、魔王の胸にふと、庇護欲が芽生えた。

「これからは我が、貴様を飼ってやる」
「本当ですか!? いや〜嬉しいなぁ!」
「だから、泣きたい時には泣くがよい」
「魔王様……?」
「これからは我が、その涙を拭ってやろう」

口元にこびりついた血肉と共に、壊れた水桶のように滴り落ち落ちる涙を、魔王を拭った。


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