ドラゴン「貴様は肉を食わないのだな」魔物使い「ベジタリアンなものでして」
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16:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/16(火) 22:16:35.76 ID:otgDpFYUO
「寝床を汚して、ごめんなさい」
「よい。実に愉快であった」

しばらく互いに悦に浸った後、正気を取り戻した人間はドラゴンに深々と頭を下げ謝罪した。
それに対して鷹揚に応え、赦しを与えると。

「ドラゴンさん、大好き!」

人間は満面の笑みでドラゴンに飛びついた。
痩せ細った人間の身体は、ドラゴンに負けず劣らずゴツゴツしていて、一抹の切なさを抱く。
どうかこの先ずっと、この人間に幸多きことをと、ドラゴンはそう、切に願わざるを得ない。

いいや、そうではない。願うだけではダメだ。

「貴様を必ず幸せにしてやろう」

人間使いのドラゴンとして主人は固く誓った。

「ドラゴンさん、どこへ行くの?」
「気の向くまま、行きたいところへ、自由に」
「それは天国?」
「そんな場所を目指して、ひたすら飛ぶのだ」

汚れた寝床を捨てて。
人間を、背に乗せて。
ドラゴンは飛び立つ。

この広い世界に、天国があると、そう信じて。


【人間使いのドラゴン】


FIN


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