【モバマス】 木村夏樹「道とん堀には人生がある」
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42:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/15(月) 05:31:20.36 ID:VQj+6fZHO


「――今日はほんとにありがとな!」


 それは、ある夏のライブ会場。屋外のステージ。
 毎年開催されている真夏の野外ロックフェス。著名なフェスの一舞台に彼女たちヘヴンズドアはいた。


「あっという間に最後になっちゃったけど、最後までフェスを楽しんでくれ!」


 広大な特設会場を埋め尽くす人、人、人……。そんな会場に響き渡る夏樹の声。

 夕刻、オレンジ色の眩しい西日が会場に降り注ぐ。


「それじゃ最後の曲、いっていいか!?」


 その声に観客が呼応する。


「聞こえねーぞ!」


 本日一番の盛り上がりを前に、夏樹は観客を煽り立てて更にボルテージを上げさせる。


「よっしゃ、まだまだフェスは続くぜ! みんな、飛んで、暴れて、跳ねて、飲んで、燃え上がろうぜ! 李衣菜よろしく!」
「オッケー! いきましょーか! 新曲!」


 新曲、そのコールで会場は爆発的な歓喜に包まれた。


「みんな今日はありがとう! 最後は新曲でお別れです! 聴いて下さい、『Slip of the lip』!レッツゴー!」


 李衣菜の号令を受けかき鳴らされるギター。夏樹のソロギターに始まり、涼と美世のリズムギター、そして里奈のベースと拓海のドラムが続く。

 その音に応えるように、観客から叫びや手拍子が生まれ、ステージ前に暴徒のように押し寄せる。

 すし詰め状態。早くもモッシュピット、台風の目が形成されつつあった。

 そして、李衣菜の歌声が突き抜ける――






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